原子核は陽子、中性子という二つのフェルミオンからなる少数量子多体系です。極低温の基底状態から、カオス状態の数MeVの励起状態まで、その複雑な極微の多体系を実験的に調べています。ポテンシャル内での平衡状態に達した静的な性質や、反応後の過渡期に現れる非平衡、動的な性質を調べることで、未だ見ぬ超重元素や、宇宙での元素の起源を明らかにすることを目指しています。

原子核実験は主に数日の実験を、一人の実験責任者と10人程度の共同実験者と行う比較的小規模実験です。ただし、加速器を使う ために時間の制限があり、実験が始まるとシフトを取って昼夜関係なく実験をすることになります。 小規模実験であるために、実験責任者は目的とする物理はもちろんのこと、検出器学、DAQ(データ取得)学にも精通している必要 があります。全部を自分で準備することは最初は難しいですが、それを乗り越えた暁の達成感は何物にも変えられません。 どの分野でも活躍できる人材になり得えることは確実です。 皆さんも一緒に研究をしませんか。